2008年9月30日火曜日

中山前大臣を遙かに凌ぐ失言癖? 麻生太郎!      青山貞一

 まぁ、多くの国民が唖然としたのではないだろうか? 中山成彬前国交省大臣のことだ。以下の毎日新聞の記事をご覧いただければ分かるが、辞任した直後9月29日、またまた言いたい放題である。まさにトンデモ人間である。

毎日新聞 2008年9月29日 東京夕刊ttp://mainichi.jp/select/seiji/news/20080929dde041010037000c.html
中山前国交相:民主党政権なら日本が大阪府に 止まらぬ暴言

 失言問題で辞任した中山成彬(なりあき)前国土交通相は29日午前、TBSの情報番組に出演し、「民主党政権が誕生すると、日本全国が今の大阪府みたいになる。職員組合とのなれあいで財政破綻(はたん)にひんしている」と述べた。大阪府をやり玉に挙げて労働組合の支援を受ける民主党批判を展開した。

 成田空港拡張への反対を「ごね得」などと発言したことについては、「(関係者に)不快な思いをさせたことはおわびしたい」と陳謝した。一方で、「政治生命をかけてでも国民に訴えていかないといけない責任がある」と述べ、日本教職員組合(日教組)を「日本の教育のがん」などと批判した発言は撤回する考えがないことを改めて示した。

 また中山氏は、28日に首相官邸で麻生太郎首相に辞表を提出した際のやりとりを紹介。中山氏が「麻生さんの前で腹を切りに来た。任命責任と言われるだろう。本当に申し訳ない」と申し出ると、首相は神妙な面持ちで「誠に残念」とつぶやいたという。【近藤大介】

 しかし、トンデモ閣僚は何も中山前大臣ばかりではない。その予備軍は麻生内閣に沢山いるのだ。 

まず、麻生総理だ。

麻生総理は9月29日の所信表明演説で、自分たちがしたきてことをすべて棚に上げ、民主党批判を繰り返した。小泉、安倍、福田と世間知らずのおぼっちゃま内閣がしてきたこと、それも社会保険、後期高齢者健康保険など国民の生活を破壊に追い込み、極度な規制緩和で日本社会を弱肉強食社会とし、その結果、中小企業や地方経済を瀕死の状態に陥れたことを知らないとはいえまい。3年で3人総理が分かることで国際的信用を失墜してきたこともある。

その麻生氏は失言癖で品のない物言いでつとに有名だ。

 なかでも『当時、朝鮮の人たちが日本のパスポートをもらうと、名前のところにキンとかアンとか書いてあり“朝鮮人だな”と言われた。仕事がしにくかった。だから名字をくれといったのが、そもそもの始まりだ』といい放っている。 これはお隣の韓国の国民感情を逆撫でし国際問題に発展した。

 福岡県飯塚市にある麻生氏の邸宅を見ればすぎに分かるが、麻生家は3~4万坪の敷地に超がつく豪邸がある。私も以前、福岡県の川崎町に行ったとき、途中、麻生家の近くを通った。どこまでもつづく壁、その敷地の広大さはとびぬけていた。もっぱら、東京の自宅もざっと土地家屋で50億円は下らないという。 その麻生家が麻生商店は、日本が朝鮮を統治していた時代、朝鮮人の労働者を強制連行し、三井鉱山よりさらに安い賃金で搾取し、莫大な利益をあげていたという。

そうであれば、麻生グループの後継者、麻生太郎氏が日本による朝鮮半島の植民地支配をを美化し、創氏改名を「満州で仕事がしにくかったから、名字をくれと言ったのが、そもそもの始まりだ」などと語った背景が分かるというものだ。

 麻生氏は、「アルツハイマーの人でも分かる」とか、「高齢者の85%は周りが迷惑するほど元気」など自民党の国会議員の中でもダントツに失言が多い。

 以下に上記の失言を含め、麻生氏が放った主な失言を示そう。

①「これ(2008年8月末に愛知県などを襲った豪雨災害)が安城、もしくは岡崎だったからいいけど、この名古屋で同じことが起きたら、この辺全部洪水よ」(2008年9月14日 名古屋市で行われた自民党総裁選の街頭演説会で)

②「ドイツは(野党だった)ナチスに一度やらせてみようということで政権を与えてしまった」(2008年8月4日 野党・民主党所属の江田五月参議院議長を表敬訪問した際)

③「アメリカ人に中東問題は解決できない。アメリカ人はブロンドで青い眼だから。日本人は信頼される。幸い我々は黄色い顔だから。」(2007年)

④「(従軍慰安婦の存在について)客観的な証拠がない」(2007年)

⑤「消えた年金の突き合わせで受給者はもっと貰えるかもしれない。こらあ、欲の話だろうが」(2007年12月)

⑥「(日本の農産物輸出に関し)78.000円と16.000円はどっちが高いか。アルツハイマーの人でも分かる」(2007年7月富山県高岡市の講演で)

⑦「高齢者の85%は周りが迷惑するくらい元気だ」(2006年9月)

⑧「安さだけなら核(武装)の方がはるかに安い」(2003年5月)

⑨「創氏改名は朝鮮人が望んだものだ。日本はハングル普及に貢献した。」(2003年の東京大学の学園祭での講演で)

⑩「独断と偏見かもしれないが、私は金持ちのユダヤ人が住みたくなる国が一番いい国だと思っている。」(2001年4月日本外国人特派員協会で)

⑪「野中広務のような部落出身者を日本の総理にはできないわな~。」(2001年) 

どうだろう。いずれも相当酷い失言だ。もし、総理として上記クラスの失言をすれば、国際問題が起きるだろう。そもそも今の自民党は、こんな人物を総理とするほど人材がいないのか!  

2008年9月27日土曜日

 安倍、福田の2代に渡る世襲による1年放り投げ内閣の後、選挙管理内閣として麻生内閣が誕生した。しかし、この麻生内閣は、自身が典型的な親の七光りの世襲議員であるだけでなく、閣僚も16人のうち11人が世襲議員と、もとより政治家としての資質、正当性が疑われる人間ばかりだ。

 この9月24日から25日、マスコミによる全国世論調査(電話)が行われたが、麻生内閣の支持率は、ご祝儀相場のポイントもなく、あの安倍、福田内閣よりも低いありさま。

 毎日新聞           45.0%
 朝日新聞           48.0%
 共同通信           48.6%
 読売新聞           49.5%
 フジサンケイネットワーク  44.6%
 日本テレビ系         46.7%
 テレビ朝日系         50.4%
 日経新聞            53.0%

 これらはいずれも福田内閣発足時(2007年9月)の支持率を5ポイントから12ポイントも下回っている。
 これを小泉首相以降の歴代総理と比較すると以下のようになる。ただし、過去の支持率を含めデータは読売新聞。

 小泉内閣   87.1%
 安倍内閣   70.3%
 福田内閣   57.5%
 麻生内閣   49.5%

 歴然と、麻生内閣は出発当初から国民の支持がないことが分かる。

 当人や官房長官は、強がりを言っているが、国民の多くは、「世襲のおぼっちゃま」首相と内閣が4代つづいていることにうんざりしている。北朝鮮をまったく嗤えない常態にある。

 一方、9月25日、小泉元総理が国会議員を辞職することを表明した。しかも、自分の横須賀の地盤、看板を次男に世襲させることを公言している。横須賀と言えば、米国の原子力航空母艦、ジョージ・ワシントンが核3原則をないがしろにして日本の横須賀を母港とし、そこからアフガンやイラクなどの戦場に原子力空母が就航することになる。

 また小泉元総理は、前回のいわゆる郵政民営化選挙で、まさにマスコミ操作による世論誘導で300議席になんなんとする巨大な議席を自民党に与えた人物だ。だが、小泉元総理が行った「構造改革」の多くは、日本社会を米国並みの格差社会とし、若者、地方、高齢者などいわば社会経済的弱者を切り捨てる弱肉強食社会をつくった張本人である。

 小泉流「構造改革」の副作用が顕在化し、しかも日本全体を疲弊させていることへの反省もないままの引退に、国民の多くは呆れている。

 もっぱら、世襲議員とは別におよそ国会議員の資質と能力が問われるいわゆる小泉チルドレンと称される衆議院議員の多くがこれで一巻の終わり、すなわち年内にも迫っている衆議院議員選挙で大部分が落選確実となるという、国民にとってプラスの面もないわけではない。

 とはいえ、日本社会は、「世襲の無責任男」によって4代つづいて蹂躙され、国際的な信用は瓦解し、GDP世界第二位の国でありながら自殺者が毎年3万人を超える異常な国となっている。

 いずれにせよ、正当性と正統性がない者が一国の総理、首相を牛耳る異常な事態を解決するためにも、直ちに総選挙で国民の民意を問わなければならない。

2008年9月26日金曜日

「世界透明性」ランキング、日本は国会議員世襲などで18位  青山貞一

 2008年9月24日,TBSのニュースで、「世界透明度」ランキングの発表があった。日本は、ベルギー、米国とともに18位だった。昨年が17位だから一歩後退である。

 上位10傑は、①デンマーク、①ニュージーランド、①スウェーデン、④シンガポール、⑤フィンランド、⑤スイス、⑦アイスランド、⑦オランダ、⑨オーストラリア、⑨カナダである。

 これらの国々は他のランキングでもいつも上位にいる国だ。

 TBSニュースにおける日本に対する「特質」すべきコメントを以下に示す。

 総理大臣や閣僚が次々と辞任し、政治の混乱が続いていること、そして未だに二世、三世議員が多く政治の世界での透明性が十分確保されていないことが、順位の下がった原因だと指摘されました。

 「今の政治家を見ても家族的なつながりがあるケースが多く、(いまだに)二世、三世議員がたくさんいます」 

  (トランスペアレンシー・インターナショナル、リアオ アジア部上級代表)

 これは私が常々指摘していることであり、つい最近も以下の論考を公表したばかりである。

◆青山貞一:大マスコミが報じない自民議員過半が二世三世議員
  http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col1200.htm

 上の論考を発表した直後、日本では、小泉、安倍、福田につづき世襲議員の麻生太郎が自民党の総裁そして総理、首相となった。直近の総理が4代続いて二世、三世の世襲議員である。世襲議員による総理、首相のたらい回し、といってもよい。

 しかも、安倍、福田は在任期間がわずか1年で総理、首相の座をホッポリ投げている。このような先進国は日本以外にない。

 さらに2008年9月24日に発表された閣僚名簿を見ると16人中11人が世襲議員である。 また9月25日になって小泉首相は国会議員を引退することを突然表明したが、何と自分の後釜に次男の小泉進次郎(27)を後継に指名している。これほど恥ずかしいことはないが、本人はまったくそれが分かっていない。引退するのは一見潔いとも思えるが、これでは台無しだ。何も二世議員が辞め際に三世議員候補を指名することもなかろう!

 今回の世界透明度ランキングでは、まさに日本の国会議員、総理の世襲性や選挙で政権の正当性、正当性が示されていない総理、首相が、無責任に1年で2回も辞任したことが国際的に非難されたことを如実に示している。

 日本では自民党による政権の私物化だけでなく、国会議員の私物化が常態化し、先進国で一番政権交代のない国となり、世界の笑いものとなっている。にもかかわらず、当のご本人達がまったくそれを分かっていないところに、絶望的なものがある、と言えよう。

「世界透明度」ランキング、日本18位(TBSニュース 2008年9月24日00:34)

 政治家や公務員の汚職やモラルなどの「腐敗の度合い」を調べた世界透明度ランキングが、ドイツの研究機関によって発表されました。日本は前回17位、今年は何位にランク付けされるのでしょうか。

 調査を行ったのは、ドイツのNGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」で、政治家や公務員の汚職やモラルがどの程度腐敗しているのかを世界180か国を対象に比較し、「透明度の高い順」からランク付けしています。

 今年の日本の順位は、去年から1つ下げて18位。総理大臣や閣僚が次々と辞任し、政治の混乱が続いていること、そして未だに二世、三世議員が多く政治の世界での透明性が十分確保されていないことが、順位の下がった原因だと指摘されました。

 「今の政治家を見ても家族的なつながりがあるケースが多く、(いまだに)二世、三世議員がたくさんいます」(トランスペアレンシー・インターナショナル、リアオ アジア部上級代表) また、中国については「依然として共産党の腐敗は続いている」として前回と同じ72位。

 ロシアは、官僚に渡るワイロが未だに莫大な金額で、政治と官僚システムが極めて不透明だと指摘、去年より4つ順位を下げ147位でした。

2008年9月8日月曜日

こんな欠席裁判番組あるか! テレビ朝日 サンデープロジェクト

 テレビ朝日、サンデープロジェクトは、以前から政府・自民党の要人を呼び、言いたい放題言わせている番組だ。

私見では、このサンデープロジェクトという番組は、番組そもののが自民党の広報機関となり下がっていると思える。

 全国放送でこの種の番組を永年していることに大きな問題がある。番組内の情報操作によって世論誘導を行っているのでは、と思われても仕方ない。

私は「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(放送法第三条の二)という観点で、最近この番組がしていることは、放送法に抵触するのではとさえ思っている。

原因の多くは、田原総一郎にあるだろう。さらに上記とは別に、強引な番組の引き回し、番組内での言論封殺。自分のシナリオの押しつけ。出演者の罵倒などなど。これらは枚挙にいとまがない。

 今日、すなわち2008年9月7日のサンプロはとりわけ、それがとくに酷かった。放送法に抵触するのではないかと思える。 9月1日、福田首相が職責を一年足らずで投げ出したあと、次期の自民党総裁候補をスタジオに呼び、出馬の目的、動機などを田原が聞くものであった。

 それに先駆け行われた田原総一郎と町村信孝官房長官による福田首相の職責放り投げの理由を聞き出すコーナーでは、その場にいない小沢一郎代表や民主党への一方的な非難のオンパレードとなった。民主党議員がスタジオにいないことをいいことに、町村は冒頭から民主党バッシング。そのなかにはどうみても民主党に対する中傷誹謗も含まれていると思える。

 なにしろ民主党議員がいないのだから、自民議員の言いたい放題に反論のしようもない。まるでどこかの国の裁判のように、主尋問だけで反対尋問がない裁判、あるいはいわゆる「欠席裁判」である。

さらに、候補者ひとりひとりへの出馬の目的、動機などを田原総一郎が聞くコーナーでも、なぜか民主党への中傷的な批判が続出した。批判はおおいにあってもよい、さらにあるべきだ。しかし、これから衆院選挙を控えた自民総裁選が近くにあることが問題だ。公共の電波を使って一方的に政権政党が野党第一党がいない場で、ここまで批判、中傷を行ってよいものだろうか?

 そもそも、もともとの問題は、衆院を解散せずに正当性のない総理が安倍、福田とふたり続き、いずれも一年足らずで職責を放り投げたことにある。 その間に国民にとって非常に重要な立法、政策、施策が目白押しだったにもかかわらず、まともな政権運営をしてこなかった安倍、福田総理、そして自民党、同党議員にこそ、多くの問題の根源がある。

 にもかかわらず、それを棚に上げて、町村はじめ自民党議員は、ネジレ、小沢代表、民主党批判ばかりを展開していた。見ていた視聴者は「何だこれ」と思ったに違いない。たとえ自民党を支持している見識ある有権者にも、自民党の今日の行状が見苦しく映ったに違いない。

 もし、これが逆、すなわち自民党国会議員がスタジオにいないところに民主党議員が同じことをしたら自民党は烈火のごとくテレビ局に抗議し、今後、一切自民党の国会議員は出演しないなどと恫喝を加えるだろう。 しかも、田原はこのままだと自分は政権交代になると思うけどと、幾度となくその場にいない民主党への批判を自民党国会議員に扇動する始末だ。

 この日のサンデープロジェクトは、さながら自民党議員による一方的な民主党バッシング、誹謗中傷大会となっていた。とりわけ酷かったのは、町村議員だったことを強調しておこう。 私見ではこの番組は、放送法にも抵触するのではないかと思う。すなわち、放送法の第一条には、次の3点が原則として示されている。

1 放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
2 放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。
3 放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

 この原則の下に、第三条には「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」とあるし、第三条の二には放送番組について

1 公安及び善良な風俗を害しないこと。
2 政治的に公平であること。
3 報道は事実をまげないですること。
4 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

と定められてもいるからだ。

放送法 第1章 総 則目的
第1条 この法律は、左に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。

1.放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
2.放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
3.放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

2008年9月6日土曜日

どこまで有権者を愚弄するのか! 「民主主義の敵、自民党」

どこまで有権者を愚弄するのか
「民主主義の敵、自民党!」青山貞一
掲載月日:2008年9月6日

信じられないことだが、一国の総理大臣が就任後一年、しかもふたり続けて自らの職責を放り投げた。開いた口がふさがらない。

 以下は昨年の同時期、安倍首相の政権投げだしについて書いたブログである。ちょうど一年後、まるで悪夢のように同じことが繰り返されている!まさにデジャヴである。

■安倍首相のトンデモ無責任の政権放り投げ 
  青山貞一:取り沙汰される安倍首相辞任の別のわけ!?
  青山貞一:唖然・呆然、安倍首相のトンデモ無責任、辞任劇
  青山貞一:1年弱で農相4名、防衛相3名の異常 

 この間、福田首相は国民生活や外交的に重要な政策、施策の多くに自らのリーダーシップを発揮することなく、すべて先送りしてきた。

 社会保険庁問題、後期高齢者社会保険制度、官僚天下り問題、独立行政法人解体問題、防衛省汚職問題、日雇派遣問題、ガソリン暫定税率問題に象徴されるように、国民の生活に密接に関係する課題に自公政治はまったくまともに応えてこなかったのである。 福田内閣は、小泉、安倍以上に霞ヶ関の官僚機構をコントロールできず、官僚天国は一層拡大した。そのなかで格差社会は一段と悪化している。 霞ヶ関の突出は何も厚生労働省や防衛省だけでない。

 私が「関東軍」と揶揄している国土交通省道路の道路局や河川局は、これ幸いとB/C(便益/費用比)で根拠が薄い高速道路やダムなど不要不急な土木公共事業を黙々と進めている! 経済産業省は地球温暖化対策として原発を推進し、環境省はすでに世界一ゴミを燃やしているが、さらにゴミの焼却主義を推進しようとしている。

 格差社会の拡大は同時に、正直者が馬鹿を見る最悪の社会となっている。私は米国社会をよく見ているが、米国は多民族国家であるが、実質単一民族社会である。その日本でかくも経済的に格差が生じている。おそらく戦後最大の格差であろう。

 福田内閣は小泉政権時代のさまざまな悪弊を引きづりながら、さらに政官業癒着による既得権益政治にもまともに対応していない、果ては選挙目当てに公明党の党利党略に乗ってその場限りのバラマキ政治を容認した。その矢先の政権投げ出しだ。 そもそも、超無責任政治で日本社会を奈落の底に陥れている断末魔の自民党は、小泉純一郎が郵政民営化という「情報操作による世論誘導」によって衆院を解散して得た衆院選挙で得た巨大議席を悪用し、その後何年もやりたい放題をしている。 その恥も外聞もない自民党の無責任のやりたい放題を援護しているのは、いうまでもなく大マスコミである。小泉流の劇場政治にまんまと大マスメディアが引っかかり、のせられ政治の本質とまったくかけ離れたところで有権者が総動員させられたのだ。その愚をまたしても自民党総裁選挙でやっている。

 有権者、国民はけっして馬鹿でないから、二度とその手には引っかからないだろうが、これがマスコミと思うと寂しくなる。過日、私も尊敬する米国マサチューセッツ大学のN.チョムスキー教授が、大マスコミは歴史的に見ると、いずれも権力になびき、スポンサーにへつらうと述べていたが、まさのその通りだ。自民党同様、恥も外聞もないのが大マスコミである。恥を知れと言いたい!

......

 百歩譲って小泉が郵政民営化というシングル・イッシューで大議席を獲得したとして、その後の参議院議員選挙で国民は、すぐさま自民党の三百代言、詐欺師紛いの政治に明確にノーを突きつけたことを忘れてはなるまい。そして、国民、有権者は傲慢、無責任きわまりない自公に明確な自民党ノーという答えを示した。

 にもかかわらず、本来有権者が選択した結果としてのネジレ現象は自民党は自分たちの無責任で先送り政治が原因であるのに、あたかも民主党など野党が何でも反対して何も決まらないかのごとく喧伝、ここでも大マスコミは、民主主義そのものをまったく理解せず、断末魔の自民党政権による不作為によって起きているさまざまな問題をネジレのせいにする自民党の広報機関まがいの報道を繰り返した。

 民主主義国家であれば、「ネジレ」は審議を深め、政権政党の暴走を食い止めるために必要な面も多々ある。もちろん、政権交代が理想だが、「ネジレ」はそこへの過渡現象としての登竜門であるはずだ。 以下は、参議院選挙後に書いた私のブログである。

■青山貞一:与野党逆転ではじまる民主政治の夜明け
  ①参院発の法案
  ②安部総理の誤算
  ③テロ特措法問題
  ④「脱」利権構造
  ⑤実質、政権交代!?
  ⑥解釈改憲の芽を潰せ
  ⑦情報格差の解消を
  ⑧国政調査権の徹底活用
  ⑨産党選挙区候補半減 

 元はと言えば、本来、シングル・イッシューである郵政民営化選挙を大メディアを利用し、情報操作による世論誘導で得た議席を背景に、その後、やりたい放題、無責任を繰り返してきたことが問題の本質であるのに、何ら正当性と正当性のいずれもない安倍、福田の2代つづく総理のたらい回しを批判することなく自民党のマスコミ誘導に乗り続けてきたのである。

 安倍も福田ももともと何ら国民の洗礼を受けていない、すなわち正当性も正統性もない政権である。しかも、安倍や福田は小泉の路線を継承しているわけでないのに、その政権のすることを国民の立場から本質的に批判してこなかったのである。

 本来、当然のこととして衆院を解散し、民意を問うのが憲政の常道である。常識的にはどう見ても衆院を解散すれば負けるに決まっている。 永年、政権の座にいたことで骨身にしみた政権の座にいることによるうま味を手放したくない、だから降りたくないという党内事情だけで、この間、小泉の残存任期を安倍、福田と政権が繋いできた。

 その形式的な残存任期のなかで、国民生活を破壊する支離滅裂、支離滅裂政治をまともに批判せず、政府・自公政権の広報を垂れ流しているマスコミは何らマスコミに値しない。

 腐っても鯛という日本語がある。しかし、今の自民党はただ腐っているだけだ。 既得権益にしがみつき、既成事実をつみあげるだけで、何ら国民の負託に応えていない。世論操作、マスコミ操作術に長けた自民党が、いいようにマスコミを利用し、世論を誘導し扇動しているのである。

 ....

  自民党政治家の52%が二世、三世議員であるというデータがあるという。何も努力せず、親の地盤、看板などで国会議員となり、大臣となり、総理大臣となっている。その傾向はまったく改善されるどころか悪化している。

 事実、以下にあるように、小泉→安倍→福田の3首相はいずれも二世であり、もし、麻生が首相となれば、これまた二世議員である。

 麻生太賀吉  → 麻生太郎
 福田赳夫 ・福田宏一 → 福田康夫
 安倍寛     → 安倍晋太郎  → 安倍晋三
 小泉又次郎 → 小泉純也 → 小泉純一郎

 ■青山貞一:自民党は二世、三世議員が半分を占める!?
   「二世」「三世」議員
   大マスコミが書かない二、三世議員総理たらい回し
   大マスコミが書かない二世、三世議員による総理たらい回し(2) 

 私はこの「独立系メディア」で何度となく指摘、批判してきた。 親の七光りの無能で無責任のボンボン議員が次々に舞台に現れては消えてゆく様は、あまりにも異様であり異常である。にもかかわらず大マスコミは、それを視聴率稼ぎになるとはやし立てているのは無様を通り越し、犯罪的ですらある。

 歴史的見ると、直接民主主義から間接民主主義に移行したあと、民主制度における「議員」は選挙ではなく「抽選」であったそうだ。来年から始まる市民裁判員制度の裁判員の選定は「抽選」をとっている。 それがいつしか選挙になったのだが、日本では国会議員、とくに自民党議員の多くは世襲となった。世襲は「抽選」から最もほど遠いものだ。ここにも自民政治の民主主義の大きな誤解というか、はき違いがある!

 本来、当然のこととして衆院を解散し、民意を問うべきである。さらに、政権交代すべきである。もちろん、民主党には第二自民党といってもよい課題をたくさんもっており、おせいじにもまともな政党とは言えない。 だが、だからといって、いつまでも無責任で無能な自民党政治を一旦やめさせることが日本社会の蘇生、再生には不可欠だ。

 ◆青山貞一:どうした民主党 第2自民党から脱皮せよ! 再拡充版 

 国民、有権者の多くは民主党にお手並み拝見として政権交代を期待している。

 いずれにせよ、今の日本の政治の現実では、お隣の北朝鮮や中国を批判したり、嗤えるものではない。 自公両党は、これ以上、日本という国、国民の名誉と信用を毀損すれば気が済むのか?

 いつまで今や先進諸国中で最悪の三流政治をつづけるのか? 国民も大マスコミの情報操作による世論誘導に組みすることなく、国民としての政治的義務を果たさなければならい。

 そのためにも私たちは、愚劣なマスメディアの扇動と情報操作から目を覚まさなければならない!

軽乗用車水没による女性水死事故は人災!

 2008年8月16日午後6時、栃木県鹿沼市の市道で軽乗用車が冠水中のアンダーパス道路に入り運転中の女性が死亡した(以下の記事参照)。

 女性は、同市内の主婦、高橋博子さん(45)。中国から帰国する一人息子を迎えにいく途中だったという。下はそれを伝える共同通信と読売新聞の記事である。

●雨水流れ込んだ市道で軽乗用車水没、45歳女性死亡…栃木
 16日午後7時20分ごろ、栃木県鹿沼市茂呂の冠水した市道で、鹿沼市千渡、派遣社員高橋博子さん(45)の軽乗用車が屋根まで水没しているのを鹿沼署員が発見した。高橋さんは救出され、病院に搬送されたが間もなく死亡した。発表によると、現場は東北自動車道鹿沼インターチェンジ付近の市道で、同自動車道の下をくぐった部分。豪雨により、最大約2メートルの深さで冠水していたため、現場付近で同署員が交通規制中、水が引いてきて現れた車を見つけた。
(2008年8月16日22時17分 読売新聞)

●栃木の車水没事故で現場混同 県警も判断ミス2008年8月24日 20時49分
 栃木県警は24日、同県鹿沼市の市道で軽乗用車が水没し女性(45)が死亡した事故で、本人と目撃者から110番がありながら出動していなかったことを明らかにした。通信司令課員が、同じような水没事故があった約1・5キロ離れた別の現場と勘違いしたことが原因としている。鹿沼市消防本部も119番を受けながら出動していなかったことが既に分かっている。県警によると、16日午後6時19分に目撃者から、同21分に女性本人から「車内に閉じこめられている。ドアが開かない」と110番があった。 別の水没事故に関しては午後5時58分から6時4分までに5件の110番を受けていた。
(共同)

 以下は現場の状況図である。出典:青山貞一作成出典:TBS JNN ニュース 2008.8.26出典:TBS JNN ニュース 2008.8.26 以下は現場の推定地図。東北自動車道鹿沼インターチェンジ近くの市道で近くにガソリンスタンドがある。複数の地図を見たところ東北自動車道鹿沼インター近くの市道で近くにガソリンスタンドがある箇所か以下しかない!。間違いようもないはず。出典:グーグルマップより作成出典:ライブドアよ作成

 ところで高橋博子さんが軽乗用車に閉じこめられたことの経緯は、以下の通りである。

①高橋博子さんが母親に携帯電話で「助けて~」と連絡(16日午後6時18分)
②直後、母親が消防本部に119番通報したが出動せず(同6時19分)
③博子さん自ら「車に閉じ込められた」と、110番通報(同6時21分)がこれも出動せずこの事故に関連し、高橋博子さんの母親がTBS JNNのインタビューで怒り心頭となっていた。

 母親は110番や119番の関係者は、そもそも緊急時対応が本業(=それで食っている)ことを強調していた。 まさにその通りだ。 記事やテレビ報道では、同時刻に多くの電話連絡が入り、110番や119番の関係者がパニックになっていたと言うが、緊急時対応、危機管理が本務、本業の公務員が、パニックになってどうするのか、と言いたい!娘さんからの現場実況中継の携帯電話を聞いた!出典:TBS JNN ニュース母親の気持ちは察して余りある。 「最後は『お母さん、さよなら』でした。

 あの絶叫は一生忘れられない」出典:TBS JNN ニュース 現場には市役所の降雨センサーがあり、大雨が降ると市役所にすぐさま情報が入り、同時に警報のサインがでるという。さらに水位が上がると、バリケード(通行止め)が道路上に置かれるという。 しかし、今回はそのバリケードは置かれていなかった。鹿沼市によれば、バリケード設置は土建業者に民間委託していたが、その業者はバリケードを設置していない。

 何でも市内には、今回事故が起きた場所と類似の場所が4箇所もあるという。 TBSのニュースによれば、「道路を管理する鹿沼市では事故発生のおよそ45分前に、道路が冠水したことを把握。車両が進入・水没しないように、委託業者にバリケードを設置するよう要請していましたが、想定以上の雨だったために、現場に保管していたバリケード自体が水没。道路を封鎖することができませんでした。 「高橋さんの車はここで浮いていた。ここら辺ぐらいまでは水位があったかもわからないんですけど」(バリケードを設置しようとした業者) 通報に正しく対応していたら、高橋さんの命は救えたのではないか・・・。バリケードが設置できていたら、車は水没せずに済んだのではないか・・・。 もともと「危険」といわれていた場所での事故。行政・鹿沼市に強い憤りを感じているという高橋さんの遺族ですが、26日開かれる市側の会見を見て、今後の対応を決めるとしています。(25日17:09) 」ということである。........ 

 今回の事故の現場は東北自動車道の下をくぐる片側1車線の道路で、地面より低くなっていたことに構造的原因がある。

 この事故は警察や消防の対応とは別に、大きな問題を投げかけているはずだ。

 それは何かと言えば、鹿沼市など建設行政、土木行政の不作為だ。 都道府県から市区町村まで、日本では土木行政は旧建設省、現在の国土交通省の補助金や設計標準などにもとづき、道路建設、立体交差建設、河川改修、ダム建設をしている。

 その国土交通省は、八ツ場ダム建設を見れば分かるように、当初50年に一回の確率、次に100年に一回の確率、最近では150年に一度の確率で起こるという大降雨に備え、河川の治水を行っている。 そのために全国各地で毎年数1000億円の税金や特別会計の巨額な公金が使われている。群馬県の八ツ場ダムでは、すでに4600億円の巨費が投じられている。 

 しかし、どうだろう国や自治体は片方で巨額の公金を使い150年に一度起こるかどうか分からない大降雨、大洪水に備え、いつできるとも知れない巨大なダムを建設している。 他方、今回の現場のように、かなり以前から大降雨によって市道のアンダーパスの窪みに水が溜まり、自動車が水没する可能性が指摘されていながら、まったく修理もせず、交通規制もせず、案内表示もせずに、尊い人命をうしなわせてしまっているのである。

 もし、市役所の土木課などが、常識の範囲で洪水対策のための構造設計の変更と工事をあらかじめしていれば、高橋さんが亡くなることはなかったはずである。 国土交通省は、大降雨、大洪水が起きるとことさら流域住民や国民に恫喝をやめ、巨額な土木工事費でいつ完成するとも知れない治水事業など中止し、国、都道府県、市区町村は今回のようなことが起きる可能性がある場所の修理に全力を挙げるべきではないか?

 今後、都市内部で短時間にピンポイント的に大降雨が起きる可能性は高まるだろう。

 最近の例でいえば、神戸市灘区の都賀川が大雨による鉄砲水で増水し4人が濁流に流されて死亡した事故、東京都豊島区の下水道で作業員が流され東京都豊島区の下水道で作業員が流され、2人が死亡、3人が行方不明になった事故など、都市内部での水害危険箇所を徹底的に調べ、改善することが急務である! この国の土木行政は、不要不急で巨大な事業ばかりに巨費を投じ、本来的に必要な事業には、いくら指摘を受けても対応していないことが問題である。

 いずれにせよ、今回の一件は、人災であり、警察行政、救急行政そして土木行政の不作為であり過失であり、国会賠償訴訟を起こされても仕方ないだろう! 最後に、今回の軽乗用車の水害事故を教訓として、自動車メーカーは、自動車の天井に、いざというときのために首から上だけを自動車の外にだせる天窓を常設すべきである。