この2月、ひさびさにイタリアにでかけたが、成田空港の銀行で1ユーロが170円を超えていたこともあるが、イタリア、とくにローマの物価の高さにへいこうした。
たとえばローマ空港の公式両替で両替したとき、通常の手数料以外にも訳の分からぬ手数料がついていて、結局1ユーロ200円近くとなった。
さすがに地下鉄や鉄道、バスなどの公共料金や博物館入場料などは、問題なかったが、空港やテルミニ駅、さらに町中で売っている清涼飲料水はベラボーに高い。
たとえば日本で1本高くても150円で売られている500ccのコーラなどの清涼飲料水は2-3ユーロ、もし1ユーロが200円なら400~600円もする。単なる水でも500ccのペットボトルで2ユーロしていた。
ちょっと気の利いたレストランでは、昼食が一番安いビジネスランチでも1600円以上、ディナーとなると、簡単に一人当たり5000円から10000円となる。もちろん、たいした店でなくてこれだ。
私たちはローマの初日に窃盗にあい相棒がスッテンテンになったこともあって、旅行中、出来る限り質素倹約につとめたのだが、それでもローマの物価には驚くばかりだった。
ホテルもテルミニ駅蕎麦の相当ボロで狭いホテルでも、90~120ユーロはする。15000~20000円と言ったところだ。もちろん立派な由緒あるホテルならまだしも、木賃宿に毛の生えたようなところでもこのありさまだった。
これはナポリでも似たり寄ったり、ソレントでやっと少し良くなったが、やはり生活実感からして、飲食がらみが高いと感じていた。
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日刊ゲンダイの2008年11月13日号を読み、イタリアの物価の異常に高い原因が氷解した。記事のタイトルは「イタリア、マフィアが最大のビジネス、売り上げ15兆円」。
イタリア国内の最大ビジネスは、フェラールでもフィアットでも、さらにアルファロメオでもなく何とマフィアが一番の売り上げを稼いでいるというのだ。
日本ならさじずめトヨタや日立製作所、パナソニック、ソニーといった上場の巨大企業が最大のビジネスとなるが、それでも2008年3月の決算では、日立製作所の売り上げが11兆円、パナソニック(当時は松下電器産業)が9兆、ソニーが8.8兆円と、イタリアのマフィアには遠く及ばないのである。
ではイタリアのマフィアは、どんな手口で15兆円もの売り上げ?を得ているのだろうか?
イタリアの流通業界団体が11月11日に出した犯罪組織に関する調査報告書によれば、マフィアは年間約1300億ユーロ、日本円で約15兆8600億円もの売り上げを上げているという。
同報告書によれば、マフィアは、ナイトクラブ、レストラン、精肉・鮮魚市場などに対する「みかじめ料」や「高利貸し」で何と、国内総生産の6%に相当する額を稼いでいるというのだ。
もちろん、それ以外に麻薬取引、暗殺、密輸、密造、共謀、恐喝及び強要などの刑事犯罪に通ずる行為やカジノ、博打的なものもあるが、ひとびとの生活や観光客に関連したものが多いことが分かった。
さらにローマではいたるところにスリや窃盗団がいるが、それらもすべてではないが、マフィアに関係していたり、「みかじめ料」の対象となっている。 そういえば、私たちがローマで経験した両替率の異常さ、レストランや飲食料の高さはいずれもこの「みかじめ料」も帰因しているのだろう。
同報告書は、金融危機を背景に銀行が貸し渋りに動けば、マフィアによる高利貸の被害が増える恐れがあると指摘している。
それにしてもマフィアの年間売り上げが15兆円にはおどろいた。
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