米国と言えば、ブッシュ大統領の8年、とくに2001年9月11日以降の米国は、単独行動主義を鮮明にしアフガン、イラクに大量の軍隊を英国などを巻き込み投入した。
ブッシュ政権は、大統領自身がそうであるように石油、天然ガス利権に満ちた閣僚が多数存在していた。 かくしてブッシュ政権の8年は、米国民のみならず世界各国のひとびとにとって、まさに悪魔の8年であったに違いない。
米国だけでなく世界各国を巻き込み対テロ戦争として行われたアフガンそして、イラク戦争は、なんのことはない、エネルギー新植民地主義、さらにエネルギー新帝国主義とでもいえる侵略戦争の様相を強めただけであったと云っても過言ではないだろう。
◆青山貞一:長編コラム 正当性なき米国のイラク攻撃
◆青山貞一:エネルギー権益からみたアフガン戦争、「世界」、岩波書店
当初、サブプライムローンは、一見して米国の低所得者層への住宅政策のように思われた。しかし、2006年にサブプライムローン債権が価格下落に転じ、2007年になって世界的にサブプライムローン問題が顕在化するに及び、このサブプライムローンシステムがけっして低所得者層に住宅を提供するための政策などではないことが分かったのである。
それは私利私欲のために世界各国をアフガン、イラク戦争に巻き込んだブッシュ大統領や閣僚が、挙げ句の果てに抱え込んだ米国の財政赤字解消戦術と無縁ではない。
ブッシュ政権は、巨額の戦費を拠出するためにバブル景気、それも実体経済と無縁にカネを捻出する金融資本主義的バブルを徹底して推し進めてきたのである。
そして2008年春に始まったサブプライムローンバブル崩壊に端を発する株価の激落は、機関投資家を先物原油や先物穀物への投資に向かわせた。その結果、本来1バレル当たり50-60米ドルであった原油を7月には150ドル弱まで暴騰させたのである。エネルギー権益に満ちたブッシュ一族は実はここでも利権を得ていたのである。
本来、世界中の生活や生産のもととなる原油を投機の対象としたWTI先物原油へのヘッジファンドなど機関投資家のカネの集中を米国政府は監視し、規制すべきであった。実際、米国下院の民主党はそのような法案を提出していたが、ブッシュ政権は法案化を阻止し、それがきっかけとなり先物の原油や穀物価格は暴騰したのである。
◆青山貞一<緊急報告0>外交なき「油上の楼閣」ニッポンの行く末は暗澹
同時期、ブッシュはガソリンにエタノールを混合させる燃料をトウモロコシなど穀物を原料に製造する政策を具体化した。その結果、先物穀物価格が暴騰し、それに端を発した食物価格の高騰は、貧しい途上国の人々だけでなく、格差社会のもと日々の生活もままならない人々を直撃した。
ブッシュがアル・ゴアと闘った大統領選で間違って当選したブッシュだが、その後の8年を見ると、ブッシュがしたことの多くは、無謀な規制緩和による大企業や金持ち優遇、中東の天然ガスや石油を世界を巻き込む侵略戦争による搾取、そのための巨額の戦費による財政悪化、挙げ句の果ては米国初のサブプライムローンのシステム崩壊による世界的金融、経済危機の招来と、踏んだり蹴ったりであった。
これは世界各国に対し劇的な悪影響をもたらすだけでなく、本場米国の国民にあっても同様だったはずだ。ごく一部の富裕層や金融バブルの恩恵を受けたものを除けば、圧倒的多くの米国民にとっても悪夢の8年であったに違いない。
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そんなブッシュ政権にひたすら追随、盲従してきたのが日本だ。 米国の巨額な戦費を米国債の購入だけでなく、アフガン、イラクへの戦後復興の名の下での巨額財政支援を積極的に行ってきたのは小泉総理以来の日本である。
ところで、周知のように日本では小泉氏がマスメディアを使って行った情報操作による世論誘導による郵政民営化選挙で衆議院議員の2/3に迫る議席をとって以来、ブッシュ政権への盲従をさらに強めた。
小泉氏は政権途中で安倍、福田に総理の座を実質禅譲した。しかも正当性も正統性もない安倍、福田政権は、それぞれわずか1年で政権を放り出し、その後、またまた実質禅譲によってトンデモの麻生政権が誕生した。この間、一切総選挙はない。
民主主義の根幹をなす民意を無視し、ひとたび世論操作で得た多くの議席をもとに、小泉、安倍、福田、麻生の各政権はブッシュ政権同様日本を壊してきたのである。 これら小泉、安倍、福田、麻生の各政権に共通していることといえば、いうまでもなく二世、三世の国会議員である。まさに「親の七光り」そのものである。
国会議員としての資質をもっているとは思えない三百代言的政治家、小泉氏、幼稚で稚拙な右翼思想をもった安倍氏、それにまったくリーダーシップをもたない不作為の福田氏、どれも首相、総理以前に国会議員としても不適格者と言われても仕方ない人ばかりだ。
日本はブッシュが政権にいた8年の間、そんなトンデモの宰相を総理としてきたのである。親の七光り、二世、三世、さらに安倍、福田、麻生に至ってはまったく国民の審判を得ないで総理となった「日本の民主主義の民度を象徴する人物」である。
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ブッシュによるやりたい放題、悪夢の8年を米国や世界は経験したが、そこはチェック・アンド・バランスの国、「腐っても鯛」である。 昨日、バラク・オバマ氏が圧倒的大差で第44代の米国大統領に当選した。 オバマ氏はアフリカ系黒人の血を引く政治家だ。オバマ氏はわずか上院議員一期で黒人初の米国大統領になった。
コロンビア大学、ハーバード大学ロースクールを卒業した弁護士でもあるというから、エリートには違いないが、米国民が選んだ米国のリーダーである。 米国は建国以来の危機にあることは間違いないが、その頂点で親の七光り、二世、三世でもない、しかもアフリカ系黒人をリーダーに選んだのである。
腐っても鯛の米国、およそ民主主義から程遠い世襲で民意をまったく反映しない総理をいただく日本。 日本でも大統領制をと言いたいところだが、最低限すぐさま総選挙を実施して欲しいものだ!
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